la fin de l’été

 6月に突然始まった夏がなんとか一段落しそうな、そうでもなさそうな、という8月29日月曜日の午前です。「今年の夏は特に暑いですね!」というフレイズを口から発しないように3か月過ごしてまいりましたけど、朝6時台に摂氏30℃を超えるこの夏のあり様には恐怖さえ感じました。ホント、
 場所は宗像神湊の砂浜。8月末の海岸なんてものは大抵の場合福岡タワー前のももち浜でさえ十分に黄昏ているわけですが、ここ神湊はやはりとりわけ格別の風情があります。

 月1回の食料品大量買い出しで1か月分の献立をマネージメントしている彼女には、珍しい買い食い……道の駅むなかたの敷地内にあるベーカリーで買い込んだ米粉パンは彼女がいつも焼いているオリジナル食パンとはまた違ったもっちりで、相当気に入ったようです。

 大島やら地島なんかを遠望できます。だいぶ渡ってないな……

 波打ち際を少し高い位置から見下ろすアングルって、意外と珍しいと思います。というか砂浜って場所はそもそも平たい場所なので人を狙えばホリゾンに構えざるをえないから、構図は単調になります。だから大きな起伏のある砂浜は好きなんです。

 30年くらい写真を撮っていてこの合言葉を何度ほど仲間と語り、ブログに貼り付け、SNSでレスポンスしたことか……本当に数えきれないと思いますがあえて、「やっぱ50mmだね、」というお話。
 仕事のファッション写真、山歩きや冒険の記録写真、家族写真を撮影するに際し、モノクロだのカラーネガだの、焦点距離だの絞りだのアングルだのと、数限りない選択肢の組み合わせを考慮していくほどに散らかっていく1枚の写真イメージを、一旦スタート地点に戻す道具はやはりこの50mm単焦点だと思うのです。開放絞りにしてもF1.4で十分だと思う理由は、本日のpicも結局F2までは絞ったものがほとんどであるように、被写界深度の問題なんて現場で気にすることではなくそれよりは合焦距離、つまりモデルとの距離感がロケ撮影では全てなので、あまりにも大口径レンズを見開いて凝視してしまうともう周辺が何も見えなくなってしまうじゃないか……ということなんです。

 というお話もまぁ理屈っぽいわけですがとにかく、50mm単焦点はもっともモデルとの距離感を見つめ直さざるを得ない道具なのであります。