2023年9月18日未明

 彼がおもむろにトイレへと向かい、かなり濃いピンク色の液体を放尿したのは12歳の誕生日から1ヶ月後、令和5年9月のある朝のことでした。

 それまでの12年間でも血尿は初めてだったしそのぐったりした様子から、これまで全く縁の無かった近所の動物病院の営業時間を気にしている場合とは思えなかった我々は、直ぐに車で4、50分の遠方にある動物専門の救急病院に駆け込みました。

 若く有能そうな獣医師や看護師など合わせて10名以上のスタッフと数々の最新機器が装備された明るく清潔な、我々の想像を妙に超えたその空間で、可能な検査をいくつか受けた上での結果はまず第一に、腹部のエコー検査をしたところ膀胱の内壁は出血の原因となりうる程度に(荒れ)が見られることや数ミリ程度の小さなポリープ状のできものが観察される事。そして第二にレントゲン検査の結果、肝臓付近に4㎝以上の腫瘍物が最低2つ存在しますという診断でした。

 青天の霹靂としか言えない事態に夫婦二人で言葉もなく立ちすくみました。すぐにその担当獣医師から「うちは救急専門病院なので、今後の治療計画についてはかかりつけのドクターとご相談ください。」という言葉を受けて我に返りはしましたが、常日ごろより相手かまわず世間話では二言目には健康長寿を声高に呼ばわっていた私たち夫婦はお互いの顔をすぐには見合わせることも出来なくて……まずは何とか安全運転に努めて帰宅したのです。

 そして次の日、知人の紹介で受診した動物病院での結果は、エコーやレントゲン画像診断から推察される肝臓周りの悪性腫瘍という見立てを、血液検査でわかる数々の計測不能にまで振り切った数値がほとんど矛盾せずに補強していますという……まさに悪い予感をそのまま言葉にしたような診断でした。

 「悪性で間違いないと思います。」「この様子を観ると外科的な処置には多分耐えられないと思いますし、まずもってそういったことの可能な(腫瘍の)サイズを超えています。」「余命は一ヶ月くらいかも知れません。」というドクターの言葉はこうなるともう、かなり遠くで響く落雷程度に無意味な気がしました。
……。


 というネガティブの極みのようなマインドに家族全員で落ち込んでから早5ヶ月、2024年2月現在のサニーは肝臓が腫瘍により肥大していると思しき状況に変わりは無いものの、血液検査における様々な炎症や肝機能の不全を疑う数値の数々はほぼ基準値内を推移しています。

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 抱きかかえて水を飲ませたあの日の状態が何だったのか、CTなり肝生検なりで深掘りして追求すべきという思いの反面、何よりも今現在の見た感じがとても元気で以前と全く同じ調子であることが何を意味しているのかについて考えると、この5ヶ月間に我々がやったこと、つまり大きな意味でその日1日1日を繰り返し全うする事でしか生きてるのを証明出来ないんだなと、改めて確信した次第なのです。

 我々が全うしているその1日1日の実践内容については、また追々記述したいと思っています。

 続きはTverで……!(嘘)

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